新型コロナ水際対策緩和1か月 大阪 外国人観光客が増加|NHK 関西のニュース

新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和されてから、11月11日で1か月です。
大阪市内の観光案内所には徐々に外国人観光客の姿が戻ってきています。

入国者数の上限の撤廃や、外国人の個人旅行の解禁など、10月11日に水際対策が大幅に緩和されてから11月11日で1か月です。
大阪・難波にある観光案内所には、観光地についての情報や、関西地域の主要な私鉄の乗り放題のチケットなどを求めて11日も朝から多くの外国人観光客が訪れています。
案内所を運営する大阪観光局によりますと、訪れる外国人観光客は、以前は1日に10人程度でしたが、10月11日以降は、韓国からの観光客を中心に100人以上に上っているということです。
また、大手旅行会社「JTB」によりますと、外国人観光客に人気の観光ルートは、東京都内や富士山のほか、大阪や京都などの観光地を巡るいわゆる“ゴールデンルート”と呼ばれる周遊ルートが、コロナ前と同様に人気だということです。
韓国から訪れた22歳の女性は「小さい時に日本のアニメを見て好きになり、今回で2回目の日本旅行です。きのうは京都に行き、きょうは大阪城に行く予定です」と話していました。
難波観光案内所の阪口寿子さんは「コロナ前にも日本に来たことがあるリピーターの人が多く、難波に滞在しながら京都や奈良へ日帰りで、旅行を楽しむ人が多いようです」と話していました。

【観光地のホテルは】
大阪・心斎橋のホテルでは、水際対策が大幅に緩和された10月11日以降、外国人の宿泊客が増えています。
一方で、コロナ禍でベテランの従業員が離職したことから、経験の少ない従業員もフル稼働で対応にあたっています。
大阪・心斎橋にあるホテルは、10月11日からの水際対策の大幅な緩和と、「全国旅行支援」の開始で、11月は客室のおよそ9割がすでに予約で埋まり、このうち6割を外国人が占めているということです。
もともと、外国人が宿泊客のほとんどを占め、英語や中国語、韓国語などで接客する外国人の従業員がスタッフの半分ほどを占めていましたが、コロナ禍で離職した人も多く、最近採用された経験の少ないスタッフがフル稼働で対応にあたっています。
去年からこのホテルで働いている中国出身の劉依※ブンさん(24)は「以前はお客様がいなかったのに先月から急に増えたので、なにをしたらいいのか分からず、悩みました。最近は忙しさに少しずつ慣れてきて、外国人のお客さんの母国語で接客することで安心感を与えられて、仕事にやりがいを感じる」と話していました。
道頓堀ホテルグループの橋本明元 専務は「急に忙しくなったので疲れている社員もいるが、社員たちは日本と世界のかけはしになりたいと思って入社してきたので、インバウンドが戻ってうれしいです」と話していました。
※ブンは「さんずい」に「文」。

【全国旅行支援1か月 国内観光客も増】
「全国旅行支援」が始まってちょうど1か月。
大阪城には11日も、多くの観光客や修学旅行生たちが訪れ、クーポン券を使って買い物していました。
大阪城の天守閣には先月およそ10万人が訪れ、全国旅行支援や水際対策の緩和などの影響で9月に比べ4万人ほど増えました。
全国旅行支援を使うと、旅行代金の割引に加えて、平日は3000円分、休日は1000円分のクーポン券がもらえます。
大阪城の天守閣では多くの人がスマホで電子クーポンを使って、入場料やお土産の購入代に充てていました。
千葉県から修学旅行で訪れた男子高校生は「お小遣いとは別に、3000円のクーポンが配られたので道頓堀や大阪城で結構いろいろ買えました。便利だしお得なので、すごくよかったです」と話していました。
天守閣を管理する大阪城パークマネジメントの高野一哉 部長は「観光シーズンに全国旅行支援が重なり、コロナ禍以降では非常に好調な状況ですがただ、コロナ前に比べるとまだ半分の水準です。クーポンも多くの人に使ってもらっているけれど、さらに人が来てもらえるようPRしていきたい」と話していました。